2月28日(水)

今年一回目の発表はUT-ANU workshop。 ワークショップ自体が実験寄り(どころか、ほとんどの参加者が実験か)なので、最近得られている結果については話さず、 random unitary凄いよという話をしておいた。

昨年末に上海で話した時は数学者の前だったので本気のトークができて、相当ノリにノった発表が出来たと思うけど、今日は実験家に向けてということもあって 置きにいった発表にはなってしまった。
でも、質問もたくさん出たし、内職する人もほとんどいなかったし、よい発表はできたと思う。


僕はいつでも自分のレベルが「最低限レベル」だと認識する人なのだけど、みんな、もう少し発表の練習をした方がよいよね。。。。 発表とは「正しいことや自分の言いたいことを言う」ではなく、「自分と聴衆の関係をマネージメントして、分かりあう」ことのはずなのに、 全然できていない 人が多すぎる。
特に日本人は、「発表=関係性のマネージメント」いう認識すらない人が多い・・・。

2月後半

気づけばあっという間に二月も最終日。簡単に一か月を振り返っておこう。


研究に関しては、今年は凄くよいスタートが切れている。

一年半くらい前から細々とやっている研究は昨年の終盤から一気に加速して、年明けには、凄く面白い結果につながることが判明した。 量子消しゴムが非自明な形で効いてくる感じのプロトコルで、量子通信から量子ブラックホール、量子非可積分系に至るまで応用がありそう。 今は最後の詰めとして細々とした計算をしていて、あとはちょっとした数値計算をすれば論文にまとめようと思う。
ちゃらいの一本と、まじめなのを一本書く予定。

昨年夏ごろから始めた方の熱力学系の研究は、まぁどこまでのインパクトを持つか分からない感じ。 ただ、手法がほんの少し似ている研究がNature communicationから出版されたという話をきいたので、それよりも確実にメッセージ性が高い僕たちの研究は それ以上の雑誌に投稿できるかもしれない、と考えている。
となると書くのがとても面倒くさいんだけど、今後の職のためには必要かな。

年明けからの数学者との共同研究も、僕の貢献はあんまりない疑惑はあるものの、順調。個人的にはこれが一番好きなんだけどね。


冬と言えばスキーだ。
今年は遅いスタートだったけど、バックカントリーガイドに二回申し込んで、気持ちの良いスキーを楽しんできた。 スイスのスタンダードに比べると標高差も斜度も全然物足りないけど、それでもスキー場を離れて自分の足で登って大自然の静寂の中で滑るのは気持ちよい。
最終的には自分だけで山に入れるようにならないと僕の人生が満ち足りないので、年単位で装備も揃えていきたいと思う。

ゲレンデでも色々と滑ったし、友人と一緒に行った際には久しぶりにパイプも滑った。 スキー板の試乗会にも行って、Vector GlideのGeniusが恐るべきポテンシャルを持っていることも知った(お値段の方も恐るべき・・・・)。
そういう意味では海外にいる時よりもバラエティに富んだスキーライフを送れているのかもしれない。


あと、最近、Quantum technology関連のビジネスの話が喧しい。
ビジネスが盛り上がるのはよいことなんだけど、ビジネス特有の誇張表現やほとんど間違っている主張、詐欺に近い方々の言動が漏れ聞こえてくるたびに嘆息してしまう。

正直、関わりたくないという気分が八割、分野の発展のためには多少とも参画すべきという気持ちが一割、いっそ研究を離れて飛び込んでみるのも面白いかも、という好奇心が 一割というところ。 特に最後の一割に関して言えば、真剣に動けば実現可能なだけあって恐ろしい。
研究をずっと続けたいという気持ちは強いけど、この日本の不健全な量子情報コミュニティに嫌気がさしているのも事実だったりする。
ということで、今後の人生のことも含めて考えどころなのかもしれない。

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