11/21 (Mon.)

ボルダリングで初めて7b+(二段)を登った。と言ってもジムだけど。
これまで7b+をまともにトライしたことはなかったけど、真面目に打ち込めば(苦手系でなければ)登れるレベルだということが判明した。

11/15 (Tue.)

QIP2017の査読結果が日曜日に送られてきた。

基本的には、三人の査読者のうち二人は「重要な結果だから、トークだ」という結論で、残りの一人が「この結果は興味深いし好きだけど、QIPでトークする程の結果ではない」という結論。 2対1だと、QIPでは当然落ちる。かつて、三人の査読者から「絶対にトークだ」と言われた結果ですら、トークにならなかったこともあるし。

今日、ネガティブな方の査読で触れられていた論文をざっと読んでみた。
そしたら、査読で書かれている内容、間違ってるし。それも、その間違いは結構でかい。その間違った主張がなければ、査読の筋道が骨抜きになるくらい。

んー。まじかーと思わずにはいられない。
査読者だって間違うことはあるだろうし、そもそも査読の書き方を鑑みるに、その間違いがなくてもその査読者は僕の投稿をリジェクトしていた可能性も高い。 そういう意味では、相性の悪い査読者に当たってしまったという意味で仕方ない、というか、諦めるしかない、という気持ちもする。
それでも、だ。今回のは自信作だっただけにどうしても受かってほしかったし、五分以上の可能性で受かっていた(気がする)だけに、どうしても苦い思いが残る。

研究だって、しょせんは人に評価されてなんぼの世界だから、「誰の目にとまるか」という運・不運に左右される部分もある。 でも、純粋な運・不運というのは平均すればゼロな訳であって、コンスタントにずっといい結果を残し続ければ、平均的には運なんかには左右されない。 やっぱり、今回の研究結果に匹敵するくらいの成果をコンスタントに残し続けないといけない、ということだろう。

という教訓にして、QIP2017に関する苦い思いは自分の中で無理やり一区切りにしようと思う。


しかし、僕の研究者人生も、年齢的にそろそろ佳境を迎えてきている。それにも関わらず、まだこんなレベルでぐーたらしている自分の、なんと情けないことか。

日本の研究事情(職がない・あっても事務仕事で忙殺されて研究できない・研究者ネットワークない・給料格安)や、現在の自分の研究レベル、将来的な展望を鑑みるに、 最近はそろそろ潮時なのではないか、と思わずにはいられない時もある。
もちろん、僕はまだパーマネントな職に応募したことも一度たりともなく、それどころか、今までは出すとこ出すとこ全部受かってきたのだから、この段階で諦める馬鹿はいないし、 客観的に言っても、まだ研究者を辞めた方がいい地点にまでは全然きていない。

それでも、どうにも気分が憂鬱になってしまうのは、(QIPの一件とか、他にも色々と重なったという理由もあるけれど)突き詰めれば、自分のアイデンティティの危機を感じているからなんだと思う。 もっと直接的に言えば、諸々の理由から、今、研究における自分自身の価値を信じきれない状態になっているからなんだと思う。
「自分に価値がない」と思い始めると、やっぱり気分は落ち込むものである。

ただ、例えばお金が単なる「信頼」によって成り立っているのと同様に、そもそも「価値」というものは単なる幻想でしかない。 だから、「自分の価値」も、そもそも「実際にあるもの」ではなくて「自分で創り出して、世の中に対して証明していくもの」でしかない。 そう考えると、「自分に価値がない」という思い込みは、「価値の創出に疲れている状態」なだけであって、それ以上の意義はない。そんな思い込みに囚われるのは時間の無駄ともいえる。
結局、「自分に価値がある」と信じて前に進み続けた人だけが、何らかの価値を世の中に提供できる。 自分の価値を定義して、それを証明することでしか生き残っていけない仕事を選んだんだから、やっぱり一歩一歩、自分がやろうと思うことを自分にやれる限りでやり続けるしかない。

という愚痴をここに書いて、とりあえず哲学的論議もここで一区切り。
なんだか上に書いたことと矛盾するようだけど、目の前にある乗り越えなければならない壁ばっかり見つめるんじゃなくて、たまには自分の生き方を思い出すのも次へのエネルギーにはなる。 こんな話を家でしたら無碍にされるけど、たまには一人でこういうことを考えるのも精神安定上よろしいことでしょう。

さて、次の論文の結果も仕上がってきているので、着実に進んでいこう。

11/13 (Sun.)

Les Casetesでクライミング。

少し岩場に慣れてきたこともあって、今日の収穫は

1.Demonio verde (6a, RP):先週のやり残し。ホールドが分かっていれば、楽に楽しめるルート。
2.Trabuco 2.0 (6a+,2テン):今週のやり残し。このルートをやっていて、細かいフットホールドをもっと信用して踏んでいくことが必要だと痛感。これが中と外の違い。
3.Trabuco (6a+, RP):核心は一か所。これもホールドが分かっていて、細かいフットホールドを信頼できれば、それ程難しくない。でも、OSは今の僕じゃ無理だったなぁ。 ちゃんと核心のムーブを作ってから二便目でレッドポイント。
4.Pasovich (6a. OS):足も手もあるので、基本的には落ち着いていれば大丈夫なルート。この岩場の6aと6a+の違いはそこにあるのか?
5.No. 3 (V+,2テン):半ばトレーニングのつもりで、Pasovichの後にほとんど休憩なしで取り付いたら死ぬかと思った。疲労感を感じている間は登らない方がいい。

という感じ。
昔は、6cのOSとかもしたことあるんだけどなぁ。岩場によるのかもしれないけど、ここの岩場だと、6a+で手こずっている。
でも、ロープクライミングは僕の中ではハイキングに近くて、グレードはそんなに気にせずに楽しめればいい。ということで、楽しんでます。

11/9 (Wed.)

U・S・Aの声が響き渡るトランプ新大統領のスピーチ。
Brexitに引き続き、世界が変わりゆく瞬間を目の当たりにした気分だった。

巷でも言われていることだけれど、個人的には、Brexitもアメリカ大統領選挙も、突き詰めると「経済最優先のグローバル化への反乱」と言える、と感じる
富がより大きな富を呼ぶのは基本的には間違いない訳で、その意味でネオリベラリズム主導のグローバル化が向かう行く末は決まっている。 そして、その方向性が行きつく先では世界のほぼ全ての人が生きづらい世の中になることも 目に見えて明らかである。
これまでは大多数の人たちが(なぜか)その方向性で正しいと信じていたようだけれど、これからは経済的に搾取される側の抵抗が始まり、世界は変わっていくのだろう。
どのような新しい価値観が形成されるにしろ、国家という秩序の下で、ゆっくりとネオリベラリズムからポストネオリベラリズムへと価値観を変遷させていければいいのだけれど。

この転換自体は喜ぶべきことだと僕は思っているけれど、その転換点として、搾取する側であり、親の遺産を引き継いだだけの既得権益者のトランプが新大統領に選ばれた、というのは、エポックメイキングだ。 本来であれば、最も嫌われるべきクラスの人間のはずなのに。
今、アメリカには人材がいない。それが明らかになった選挙だったのだと思う。

ネオリベラリズムに代替する新しい価値基準を生み出していける国、それが、次の世代のリーダーになっていくのだろう。
もちろん、その国は日本ではない。日本は一周遅れでネオリベラリズムに邁進する国なのだから。


そんなショッキングなニュースとともに目覚めたこの一日だったが、更にショックな出来事が。
量子情報最大の国際会議であるQIP2017に出していた この論文がトークに落ちてしまった。 今回のは自信作だっただけに、とてもショックだ。ショック以外の言葉が見つからない。

もちろん、QIPはそこでトークするというだけでかなりのステータスになるくらい、とても競争率の高い国際会議だ。トークの採択率は、例年25%を下回っていて、今年は23%くらい。 会議のスコープが少し狭くて情報科学寄り、というのもあるのだけれど、PRL程度の論文でも余裕で落ちる。
ただ、そういうことが分かった上で、今回の仕事は採択に値すると自負していただけに、つらいものがある。
「今回の研究成果の価値がそこまでではない」と言われた辛さに加えて、「あなたの見る目も間違っている」と言われたような辛さ。ダブルで辛い。 もちろん、まだ投稿のレビューは届いていないので、それを読んでみないと何とも言えないけれど、気分的にはすでにズドンだ。

まぁ辛い辛いと言っていても仕方がない。前を向いて次の研究に取り組むしかない。
僕の基準だと、QIPレベルの国際会議でコンスタントに発表出来て、ようやく「国際的に活躍する研究者」なんだけど、まだまだそのレベルは遠すぎる。遠すぎて嫌になる。
(ちなみにこの基準に照らし合わせると、国際的に活躍している研究者は世界に二十人もいない)

11/6 (Sun.)

バルセロナ近郊でロッククライミング。
今回はLes Casetesというマイナーな岩場。マイナーなんだけど、電車とバスでのアプローチが比較的たやすいので、今回はここに行ってみることにした。
ネットで調べても出てこないので、リンクはなし。僕が登っている時は妻がビレイをしているので写真を撮る人もおらず、写真もなし。

今年の夏は風邪ひきまくりだったこともあって、正味三か月くらいボルダリングも中断していて、再開したのがようやく二週間くらい前。 ということは持久力は完全にゼロ状態なので、今日は以下の簡単なルート四本のみ。

Babia の 隣の名無し(体感V+くらい, OS)
Vitrubio (6a, OS...と思いきや、途中でZをしてしまってワンテン。下部に足が乏しくて緊張した)
No.33 (6a, OS。カチだし足もきちんとあるし、体感はVitrubioよりも適切な6a)
Demonio verde (6a,ワンテン。核心部はオーバーハングになっているが、すごいガバがあるので、それが見えれば終了。見えなかったのでワンテン)

妻も頑張って三本登ってた。
二人トータルで七便出して、岩場にいた時間が五時間くらい。ほとんどの時間登ってたんだけど、一便に時間かけすぎ?

バルセロナ近郊の岩場にバスでアクセス可能ということが分かったので、これからちょくちょく週末に遊びに行きたいと思う。

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